2022/01/31 16:18

当店をご利用されるお客様から、子供の入園・入学、または卒園・卒業の際、せっかくだから着物にチャレンジしてみたい!とお問い合わせを頂くことがあります。
でもどんな種類の、どんな色柄の物が場にふさわしいのかわからない…
着物が決まったとして、和装で臨む際に気を付けないといけないことがわからない…
そのお悩みに、店主・越田がお答えします!

Q:春に子供の入園式があり、和服で参列したいと思っています。
 どのような着物を着れば良いですか?

越田:初めて着物にチャレンジするお客様から、一番多くいただくお問合せですね。

 着物選びにお悩みの場合、まず子供が小さいうちは、子供の年齢や周りのママさんとの関係を意識しながら選ぶと良いでしょう。
自分のキャラや立ち位置、何人目の入園・入学なのかや、園や学校の雰囲気や伝統的なスタイルによって選ぶお着物の傾向は違ってきます。

 毎月多くの着付けを手掛けるベテラン着付け師の先生に伺ったところ、最近のこういった場面における着物の傾向は
「様子見の入園・入学式は地味で控え目に、お別れの卒園・卒業式は思い切って好きなデザインを選ぶ」
だそうです。

 従来は『入園式は華やかに、卒業式は控えめかつ厳かに』といった考えが主流でしたが、これから人間関係の始まる入学式はあえて控え目な装いで悪目立ちを避けつつ、着物を楽しみたいと考える傾向があるようです。
そして、卒園・卒業式は後の進路が違ってくる場合もあり、人間関係を気にせず好きなものを着ちゃおう!となる方が結構多いようです。
 
 幼稚園や保育園の入園の場合ですが、低年齢の行事は予想もしなかったような事が起こりがちであることを心にとめておいてください。
例としては、緊張して泣き出してしまったり、吐いたり、逆に興奮して走り回って転んで出血してしまう等です。
そんな状態の子供のお世話にも対応できるようにするため、初めて着物を着る方はあまり高価だったり大切な着物を着るのは少し考えた方が良いかもしれません。
着物が汚れることが気になってしまって気もそぞろでは、わが子の晴れ姿を思い出に焼き付けるなんて出来ませんよね?
このため、入園・入学は子供が一番の主役と割り切って、汚れることを想定したお着物選びをお勧めいたします。
その点、当店で扱うリサイクル着物は価格も手頃なものが多く、こういったシーンで初めてお着物を着る方にも安心して選んでいただける物を豊富にそろえています。

 【控え目・地味目な着物の例】

 【お勧めしている帯の例】


Q:着物を着る際に用意しておいた方が良い物はありますか? 

越田:
 以下の3点をご用意されることをお勧めしています。

①替えの足袋
 玄関口で自分の子供やよそ様の子供に足を踏まれて足袋が汚れるといったことは十分あり得ます。
 (その時に余裕で微笑み返して大事にしないのもTPOのひとつと私は思いますし、予備があれば慌てずにすみます)

②薄手のタオル
 入園・入学する子供本人が緊張して泣いてしまった場合などに涙や鼻を拭うのにも使いやすいですし、乳児を連れて参列する場合はミルクの吐き戻し対策として着物の間に一枚挟んでおくと安心して式に臨めます。
もちろん着物だけではなく、スーツで参列される場合にも同じように重宝すると思います。
  
③羽織もの
 子供がぐしゃぐしゃに泣いて泥だらけでまとわりついてきたときに、着物の上に羽織ものを着ると周りの心配と自分の心が軽くなると思うので、そのためのお守りぐらいに考えてください。
入園・入学式の礼装に羽織ものを着るのがTPOなのではなく、あくまで最悪の事態を回避するためにあったら便利かもよ!というお勧めグッズです。
羽織ものは塵除けや道行等色々なタイプがありますが、今回の様なシーンでは化繊のものが良いかと思います。
色柄が上品であれば、雨コートでの代用も良いでしょう。
真赤やオレンジ等の派手なものはカジュアルな印象になりやすく、場の雰囲気に馴染まない可能性があるため避けるのが無難です。
参列中ずっと羽織っている必要はなく、時間が経って子供が落ち着いてきたら脱いで写真撮影等を楽しむと良いでしょう。
ご自分で着付けができない方は、帰宅時に子供によって着付けが崩れてきた際も羽織ものが役に立つかと思います。

【お勧めしている羽織ものの例】



 小学校の場合も①と③は用意しておくと安心できると思います。
これに加えて、保育園や幼稚園と違って教科書や書類などを沢山持ち帰ることが多いので、大き目の風呂敷やエコバッグが必須になります。
上履き持参の場合は、着物に合うスリッパをさがすのも楽しいですね。

次回の記事では、実際に当店でお勧めするお着物について解説します!